灼けるような恋の先。
翌日
私と樹は県をまたいで灯のお墓へとやってきた。
前回晄と来た時よりは幾分穏やかに参れるのは沢山泣いたからかな。
「私少しは灯の死を受け入れられるようになったよ」
本当は受け入れたくないけど。
それでも確実に少しずつ受け入れられてる。
「遺品整理、行こうか」
「おう」
穏やかに参れるからと言って辛いわけじゃない震える私の手を強く握った樹は、私の1歩先を歩いて家まで連れていってくれる。
そのまま手を繋いで家のインターホンを押すと喜びのような嬉しくなさそうな顔の晄が出てきた。
「よっ」
「とうとう、決意固めたよ」
「おう、がんばろーぜ」
晄とそんな会話を交わしたあとリビングに入って晄と顔を見合わせる。
「心の準備はいいか?」
「うん、ちゃんと灯と向き合うよ」
そう、逃げてばかりいた6年。
ちゃんと灯と向き合って乗り越えなくちゃいけないと分かるまで6年。
私はたくさんモタモタしたけどちゃんと向き合うよ。
晄はひとつ大きな深呼吸をして、灯の部屋のドアに手をかけた。