灼けるような恋の先。
「お!あいつの使ってたケータイ!
パスワード知らねー?」
晄はえろ本を置いて次は見つけたケータイを出して、思い当たるパスワードを入力しだす。
灯の誕生日、晄の誕生日。
そして私の誕生日にすると開いた。
「げ、あいつ菫の誕生日パスワードとかベタ惚れかよ」
「はは、嬉しいな」
「検索履歴は彼女に送る指輪ばっか調べてんじゃん。
画像は…菫の寝顔とかあるし!」
「寝顔撮ってるとか知らなかった」
「菫とのツーショか俺とバカやってる写真ばっか」
まさか自分が死んでこんなフォルダを見られるなんて思ってなかっただろう灯のケータイの中身に私は沢山私への思いを感じられて嬉しくて悲しい。
寝顔、怒った顔、自分でさえ知らない顔が沢山撮られてて
それを見る度に脳裏に焼き付く灯の困ったような笑顔が思い出される。
「楽しかったな…戻りたい」
「だなー。でも俺らは生きてる限り前に進まなきゃだからな」
「うん。
たまには振り返るかもだけど」
灯を思い出したら辛くて苦しいからと避けてたけど、思い出と一緒に生きていけば辛くないんだろうってわかったよ。
灯はきっと寄り添ってくれるから。