灼けるような恋の先。
「やっと終わった〜!」
「疲れたけど楽しかったな〜!」
樹にも手伝ってもらった遺品整理は、思い出話とか途中途中でしてたら何時間にも渡って
終わったのはもう深夜を回っていた頃だった。
「こんだけずっと遺品整理してたら俺は生きてた頃の灯を知らねぇけど、2人がめっちゃ楽しそうに話してたり動画も見てなんか友達みたいな感覚になったわ」
最初こそ複雑な顔をしていた樹だったけど、段々と灯に興味を持ったり、少し晄と仲良くなっていた。
私たちが貰うもの、処分するもの、実家に返すものを全部仕分けて
写真とかはリビングに飾った。
ケータイは契約は切れてるものの、画像とかあるから私たちが貰うことに。
「泊まってくだろ?」
整理を終えてソファーに座る私と樹に簡単に作ったご飯を出しながらそう訪ねてくる晄。
「迷惑じゃないなら泊まる」
「迷惑なわけねーだろー?
あ、でもエッチなことするなら声は控えめに頼むぞ?」
「うるせー。どうせ一回寝たら早々起きないだろ晄」
「まぁなー」
ちゃちゃ入れる晄に笑いながら、ご飯を食べてお風呂に入る。
まるであの頃に戻ったみたいだった。
そこにいるのが灯ではなく、樹という違いだけ。