灼けるような恋の先。
「次あれ食おうぜ!」
私が修学旅行に思いを馳せ、センチメンタルになりかけている所で樹がそう指を指すのは丸ごとメロンパフェ。
丸ごととか言ってるけど、メロンを半分に容器にしてパフェって感じだけどね。
「塩辛いの食べたら甘いの食いたくなるよなー!」
「確かに、でもその後また塩辛いやつ食べたくなるよね」
「無限ループな」
こういう他愛ない話で笑いながら過ごす時間は心地がいいな。
「みろよ、メロンの果肉が丸められてるぞ」
「オシャレな見た目だなー」
「まっ、容赦なく食うけどな!」
ニコニコとご機嫌にメロンの果肉をパクパク食べる樹は可愛くて、好きだなって気持ちが湧き上がった。
「これ食ったらまた旅館戻って風呂入ろーぜ」
「いいね、その前にお土産買っていい?」
「お、いいな!何かおそろい買おうぜ」
刺青といいピアスといい何かとお揃いが好きな樹に笑いながら頷いた。
「楽しいな樹」
「だな!」
こんなに無邪気な樹を見たのはいつぶりか。
樹が楽しそうだと私も楽しくて、樹は母性本能をくすぐるなぁ。なんて。
私はこんな素敵な時間が永遠と続くようなそんな気がしていた。