灼けるような恋の先。
後悔してももうどうにもならない現実に打ちのめされる私の手を晄は握る。
「俺、菫のこと好きだから、付き合おうぜ。
なんなら結婚しよう?
俺めっちゃ菫大事にするから!」
私より大きな手、灯より小さな手、樹より細い手。
そんな晄の手を私はそっと外す。
「ごめん、これから先もきっと晄は友達だよ。
あと私はもう好きになった人としか付き合わないって決めたんだ。また樹みたいに傷つけたくないからな」
生まれて1度も晄を恋愛対象に見てなかったし見る気もない。
それは大好きだった灯の親友だから、あまりにも近すぎて私はやっぱりそれは出来ないんだ。
「そっか…。ま!いっか!
大丈夫!俺らずっと友達だからな!」
私の言葉に一瞬辛そうな顔をしたあと晄はそう言っていつも通りの笑顔を見せた。
そんな晄に心の中でごめんと謝りながら、朝食を飲み込む。
「就活しないとな〜」
「とりあえず通信で高校卒業したらいいんじゃね?」
私のボヤキに晄はそう言ってくれて、私も頷く。
高校卒業してないと今の時代きついだろうからな。
「はー、面倒だけど頑張らないとな〜」
「おう!俺も手伝うし頑張ろ!」
「ありがとう」
優しい晄らしい元気な言葉に笑顔を貰って私はまず通信の学校の資料を請求することにしたのだった。