灼けるような恋の先。
「俺の彼女だから付き合うことは出来ないんだ、ごめんね」
嗅ぎなれた香りと腕心地と共に優しく穏やかな声に顔を見上げると優しく笑ってくれたのは灯。
気味が悪くて怖いこの状況に現れてくれて本当に安心して思わず灯の腕をぎゅうっと抱き締め返してしまった。
「は??彼女とか嘘でしょ?私調べてるから菫ちゃんの近辺は!
高1の秋に先輩から告白されて付き合ったけど3ヶ月で別れてそれ以来告白さても断ってる!!
いつも隣にいる男2人はお互い異性としてみてなくて、卯月灯にも3ヶ月前まで彼女がいたのも知ってるんだから!」
そこまで同じ学校でもなかったのに知ってるのに恐怖を覚えて身が震える私。
そんな私の耳元で灯は『大丈夫、合わせて』と楓ちゃんには聞こえない声で言うと、私の額にキスしてきた。
「2ヶ月前くらいから付き合い始めてるんだ。
でも晄にバレると拗ねちゃうから内緒にしてるから誰も知らないんだろうね」
まるで本当の彼女かのように優しく触れてくるし、さりげなく楓ちゃんから離してくれる灯。
そんな灯に柄にもなくドキドキと心臓が脈打つのを感じた。
「そんな!ありえない!信じない!
私はずっと菫ちゃんと付き合うのを目標に辛い整形も乗り越えた!!!
菫ちゃんと何がなんでも付き合うの!!」