灼けるような恋の先。
「……ん…?」
飲み会の途中から記憶が無い私が目覚めたのは見知らぬベッドの上だった。
「ここ、どこ…ってか頭痛…」
二日酔いなのか頭痛に顔を顰めながら起き上がると服を何も着ていないのに気がつく。
そして隣には昨日の合コンに遅れてきたチャライケメンこと燈くんが横に裸で寝ていた。
これはやってしまったな…。
「おー、おはよー、可愛いのに刺青入っててびびったよ〜」
「あはは、そりゃすみませんね」
「でもまじ気持ちよかったよ菫チャン、感度いいね?」
「知らねー。」
「良かったらセフレになってよ」
ニコニコと笑いながらゲスな話をする燈に私は顔を思わずしかめてしまう。
名前一緒だけど、灯と全然違うわ。
「お断り。」
「なんでー?あ、いつきーってずっとヤッてる時言ってたけど彼氏かなんか??
ダメだよー彼氏持ちが合コンなんてきちゃ」
「樹って言ってたの?私」
「うん、樹大好きーって行為中ずっと」
まじか。
灯じゃなくて樹を呼んでたんだ…。
そんな衝撃に、私はやっぱり何年経っても樹を引き摺ってしまってるんだな…と。
「とにかく、私はもうあなたにあったりしないから」
記憶にない行為なんてなかったも同然だからな。
私はまだえーっと駄々をこねるチャラ男くんを置いて家へと帰った。