灼けるような恋の先。
しばらく見つめあったあと、灯はそっと目線を下げた。
「わかった、付き合おう。
ただし晄には言わない方がいいと思う」
「なんで?」
「晄は菫を気に入ってるからね」
「なら尚更教えるべきじゃない?」
「いつかは伝えるよ」
いつか、ねぇ。
灯は晄よりも何を考えてるか分かりにくいからとりあえず灯が話したいタイミングでいいかと私も頷く。
私のことを好きで付き合ってくれるのかも分からないけど、細かいことは気にしなくていい。今は。
「今日一緒に寝よ?」
別に今すぐ何かをしたい訳じゃなくて、ただくっついて寝たいだけでそう言うと
それをくみ取ってくれたのな灯は優しく笑って頷いた。
「いいよ、おいで」
優しい表情と言葉に胸にじんわりと暖かいものが広がってく感じがして心地がいい。
人と付き合うことになってこんなに心地がいい気持ちになるのは初めてだな。
「灯朝弱いから晄に見つかる前に起こしてやるよ」
「はは、そうしてくれたら助かるよ」
付き合って早々バレるなんて嫌だろうし。
灯なかなか起きないから困ったものだけど。
優しく微笑む灯に柄にもなく私も優しく笑い返してこれが恋なのかなんて初恋の女みたいなことを考えたのだった。