灼けるような恋の先。
いつも通りの朝をすごしていつも通り3人で登校すると、私の席に何故か楓ちゃんが座っていた。
その姿を見た瞬間晄の目が釣り上がる。
「お前何やってんだよそこ菫の席だろ」
「菫ちゃん!おはよ!待ってたよ!」
「おい、聞いてんのか!クソアマ!」
目を釣りあげて声を上げる晄には目もくれず私に笑いかける楓ちゃんがやっぱり不気味で違和感が凄い。
「昨日は喧嘩みたいになったけど私は仲良くしたいだけなんだ!ほんとに!!仲直りしよ?」
晄をガン無視しながら私を手を差し出して笑う楓ちゃんに隣に立つ灯の顔も珍しく険しい。
でもここで仲良くならない理由もないよなぁ。
クラスのみんな見てるしこれで嫌がってまたイジメとか起きたらやだしなぁ。
はー、面倒くさい。
「別に気にしてない、もうあんな気味悪いこと言わないなら仲直りしていいよ」
私のせいでなにかが起きるのも面倒で、そう言うと楓ちゃんはこくこくと何度も頷く。
「ありがとう!やっぱり大好き菫ちゃん!!」
「あー、はい、ありがとう」
楓ちゃんは私の手を握ってブンブンと振って笑うが隣の2人は険しい顔を崩さなかった。
何がどうなるかなんて分からないけど、新学期。
環境や人間関係が変わるのは仕方ないことだよね。
そう面倒だと思う自分に私も言い聞かせた。