灼けるような恋の先。
今日は朝から昼までテストで、ようやく終わった。
テストは別に嫌いじゃないけど、だるいのはだるいわ。
「菫帰るぞー」
帰る支度をしている私に声をかけてきた晄に頷き返すと、灯がいつもの胡散臭い笑顔ではなしかけてくる。
「テストどうだった?」
「余裕だね」
「はは、だよね」
「灯も晄も余裕だろ?」
「「もちろん」」
だろうね。
私達は自分たちで言うのもなんだけど運動神経も頭も悪くないし、テスト前に焦って勉強するようなタイプでもない。
「帰りにハンバーガー食べて帰ろうぜー!」
「いいね、俺もお腹すいたよ」
「私もー」
ゴーゴー!と灯の腕を掴んでぐんぐん進む晄に笑いながらついて行こうとしたところで
待って、と引き止められた。
「菫ちゃん私と遊ばない?」
「いつ?」
「今から!2人は2人でいかせて私たち2人で!」
「あっちが先約だから」
先約を断ることは出来ないと断って2人の後を追おうと1歩踏み出すと楓ちゃんは私の耳に近づいて言葉を放った。
「来てくれないなら卯月灯と付き合ってることバラすよ?」
ニコッと笑ってそういう楓ちゃんにどうしたものか考える私。
私は別にバラされてもいいけど、灯がまだって言ってたしなぁ。
灯の嫌がることはしたくないな。