灼けるような恋の先。




「ただいま」






家に着くと玄関には既に靴があって私の帰りにリビングで寝転んで漫画を読んでいた灯が微笑む。






「おかえり」






私はその言葉にすら嬉しいと思うんだ。単純だな。






「あれ、晄は?」



「なんか疲れたーって寝に行ったよ」



「そっか」






晄は1度寝たらそう起きないからいいか、と私は寝転がる灯のお腹にダイブした。






「わっ!ちょっ!」






お腹にダイブした勢いで漫画が吹き飛んで灯は驚いたように目を見開いてギリギリで私をしっかり受け止めてくれる。



こんなこと出来るのはちゃんと身体がしっかりそれなりに鍛えられてる灯だからこそ。


晄なら折れそうで出来ないわ。






「菫、急に来たらびっくりするよ」



「灯なら受け止めてくれんじゃん」



「そうだけど…意外だな菫こうやって甘えるタイプだったなんて」



「嫌?」



「ううん、俺甘やかすの好きだから嬉しいよ」



「はは、さすがママだな〜」






灯が私のことをちゃんと好きなのか分からない。



でもこうやって甘やかしてくれて、少し特別扱いしてくれてそれだけでこんなにも嬉しいんだよなぁ。






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