灼けるような恋の先。




灯の顔が近づくままに私も迎え入れると触れる唇同士。



キスなんて初めてでもないのに柄にもなく心臓がバクバク鳴る。






「はは、可愛いな菫」



「そりゃどうも」






こんなに心臓が鳴るキスなんて知らなくて照れる私に笑いかけながら再度キスする灯。






「ん…」






何度も角度を変えてキスされて心地よくて夢心地のようで思わず声が漏れた私を灯は見逃さなかった。






「部屋行こうか菫」



「ん」






艶めかしく言われる言葉に頷くとヒョイっと私を抱き抱えて歩き出した。




リビングの隣の部屋が灯の部屋で、廊下に出て向かい合わせに私の部屋と晄の部屋がある。



灯の部屋は晄の部屋に1番遠いから1度寝たら起きない晄にバレることは無いだろう。




私をベッドに下ろすと学校カバンの中をゴソゴソと漁る灯。






「ちょっと待ってね〜、確かここに…あったあった」






そう言って取りだしたのはゴム。



学校カバンの中にあるって用意いいな。




まぁモテるからいつ彼女が出来てもいつそういう状況になってもいいように、なのか。



なんかちょっと妬けるな。






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