灼けるような恋の先。




【晄side】



ありえない。

菫と灯が付き合うとかありえない。




俺は家を飛び出したあと学校も行く気になれず、行く宛てもなくその辺をさまよい歩いていた。






俺の中で菫は誰とも出来れば付き合って欲しくない相手。


でも彼氏が出来たりしたことはあった…らしいのを灯伝いで聞いたりはしてた。




てか前々から灯と菫は2人だけの空気っていうか、大人の雰囲気みたいなのあって嫌なんだよな。






「はーくそ」






何を言っても付き合ったのは変えられないし、腹立つ感情が嫉妬ってやつだろうことを薄々察してしまってるのも嫌だ。




菫が付き合うなら俺がいいし。



菫はむしろ俺のもんだとずっと思ってたし。





そんなことをイライラと思いながら歩いていると、目の前にいつもみたいに困ったように笑う灯が現れた。






「なんだよ、菫をモノにした自慢でもしに来たのかよ」



「はは、荒んでるな」



「うぜぇ」






学校をサボった俺のとこに来てるってことは灯もサボってんのか。


わざわざ俺に会うためにサボるとか俺の事好きすぎかよこいつ。






「晄は菫のことが好きなのか?」






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