灼けるような恋の先。
【菫side】
昼休み、晄の説得に向かった灯から仲直り出来たと連絡があって一安心。
やっぱりなんだかんだであの2人は親友で女の私には入れない部分があるよな。
そうほっと胸をなでおろしたのもつかの間、安心した私の元に楓ちゃんがやってきた。
「菫ちゃん!」
げぇ、正直もう関わりたくないんだけど…。
そんな気持ちを隠すつもりもなく、無視して行こうとするも腕を掴まれる。
それも結構な力で。
「無視なんて酷いよう…私なにかした?
晄くんに言っちゃうよー?」
「晄にはもうバレたからその脅し効かないよ」
私の腕を掴んで来る楓ちゃんにそう返すと、楓ちゃんはムスッと頬をふくらませる。
「どうやっても振り向いてくれないなら私にだって考えはあるからね」
「はいはい」
めんどくせー。
そんな気持ちで腕を振り払って屋上へと向かった。
あいつら2人が居ないとつまんないし学校で静かにできる場所が少なくて嫌だな。
なんて絶対本人には言わないけど。