灼けるような恋の先。
男に連れられるまま歩いて暫くして車に乗せられ数分。
遠くからは花火の始まった音が聞こえていて、2人はもしかしたら心配してるかもな、とか
花火3人で見れなくて申し訳ないな、なんてことばかり考える。
「ほら、降りろ」
ぐるぐるとそんなことばかり考えていた私は車が止まっていたことに気づいてなくて、男のそんな言葉と共に急いでおりた。
真っ暗で何も見えない、廃墟のような場所。
ホコリっぽくて汚そうで、コンクリートだから尚更冷たく感じる場所に私の不安は一気に膨らんだ。
「おー、やっときたか!おせーぞー」
「祭りで混んでたんだからしょーがねーだろ」
私が不安の中、廃墟の奥の暗闇から男の声が聞こえて隣の男と会話をする。
そしてさらにその奥からゾロゾロと10人近い男が現れて私は思わず身を震わせた。
「えらい可愛い子だな」
「だろ?俺もこんな美人とヤレるなんてラッキーとか思ってたんだよ」
「最高じゃねーか!」
男たちの物騒な言葉に身の危険を感じて思わず後ろにジリジリと下がる私。
どうにかスマホで連絡できないのか。
そんな私の魂胆は直ぐにバレた。
「おいお嬢ちゃん、逃げんじゃねーよ!」
「そうだぞ!俺らこの日のためにオナ禁してたんだからよ!」
「ちゃんと相手してくれよなー!じゃないと殺しちゃうからな!」
浴びせられる汚い言葉の数々に顔を歪ませる私の小さいポシェットからスマホを取り出してポイッと遠くになげすてる。
その後仲間がスマホを何度も何度も鉄の棒で殴って壊してしまった。
絶望的。