灼けるような恋の先。
【灯side】
昨日の夜、祭りの時に突如連絡も取れず姿も見えなくなった菫を俺と晄は一晩中探した。
どれだけ探しても見つからなくて、2人でどっちが悪いとか喧嘩もしたりした。
そんな場合じゃなかったのに。
「俺、今日の菫みてこいつ大丈夫かって心配になった」
菫を自室は入るなと言われてるからソファーに寝転がして毛布をかけてあげてそばに居てあげようと俺も晄も腰をかける。
「だってレイプされたってのに泣きもしねぇし、そんなことどうでもいいみたいな態度だっただろ?」
「うん、それは俺も思ったよ。
菫はもう少し自分を大事にして欲しいな」
俺は菫が大切で、居なくなっただけでどうしていいか分からなくなるくらい、冷静さを欠くくらい大切なんだけど
菫は菫を大切にしてあげれてないみたいだから。
「どうしたら菫は菫を大切にできるんだろう」
そんな俺の悩みに晄はなんでもないように言葉を出した。
「そんなのお前が大事にしてやりゃいつか菫もお前が大事にしてくれる自分を大事にするようになるだろ。」
何当たり前のこと聞いてんだ?
と言わんばかりの晄の言葉に俺は納得してしまった。
「晄にしてはいいこと言うね」
「うっせー、素直に受け取れや」
「はは、ありがとう」
晄は自信家でお気楽だけど、こういう自分の芯は強く持ってるから意外と頼りになる。