灼けるような恋の先。
その日の夜。
部屋に戻らなければならないギリギリの時間まで2人とホテルのロビーにいて
時間が来てから私は部屋に戻った。
「菫ちゃん!今恋バナしてるんだよ〜!一緒にどう?」
部屋に入るなり燈ちゃんがそう話しかけてきて断りにくさにとりあえず頷く。
人の恋愛に興味無いんだけどなぁなんて。
「私は特に好きな人いないよ〜!私は舞台俳優が大好きだからせっせと推し活頑張るのみ!」
恋バナなのにそんなことを言って周りを笑わせる燈ちゃんに意外だと思った。
推し活とかするよりリアルの恋愛してそうだったから意外な一面すぎる。
「それで言うと灯くん晄くん菫ちゃんも校内では推しって人多いよね、手が届かないから恋愛なんておこがましいみたいな」
「確かに!3人は3人で付き合ってるみたいな感じだもんね〜!」
なんだそりゃ。
私が付き合ってるのは灯だけだわ。
と、内心突っ込みつつ私達はあまり他の人と関わる機会がないからこういう話は珍しくて嫌いじゃない。
悪口でもいい意見でもそう見られてるのかって参考になる。
そんな和やかな雰囲気をある人物のとある一言によってぶち壊された。
「私は本気で菫ちゃんのこと好きだけどね。
絶対諦めないから」
そう、怖い笑顔で言うのは楓ちゃん。