灼けるような恋の先。
楓ちゃんの言葉に周りの子達は少し引いたような顔で黙りこくってしまう。
「正直あなた達みたいなブスが菫ちゃんと話すのですら無理。
男もみんな菫ちゃんに近寄って欲しくない」
ブス、なんて言葉にはぁ?と声が上がる。
面倒なことになったわ…。
なんて思いながらと目に入ろうとすると、燈ちゃんが言葉を発した。
「私達は菫ちゃんに恋愛感情抱いてないから大丈夫だよ!
楓ちゃんったら過激なんだから〜!
そんな過激だと菫ちゃん困っちゃうよ?ね?」
「え、あぁ…」
場の雰囲気を壊さない明るい声で笑顔で優しく止める燈ちゃんに、灯と晄を合わせたみたいな人だなぁなんて考える。
言われた楓ちゃんはムッと顔を顰めて何故か私を見てきた。
「迷惑なんかじゃないよね?」
「どっちかって言うと迷惑かな。
私の彼氏は、私の好きな人は灯だけだから。それは変わることないから諦めて」
変に期待を持たせたくないし、迷惑だしはっきり言おうと伝えると
悲しそうに目を伏せる。
少し可哀想だけど事実だしね。
「菫ちゃんはしっかり意見言えてかっこいいよね、こういう所を好きになったのかな楓ちゃんは。
どっちも素敵だね!」
そんなフォローをしてニコニコと笑って周りも頷く、そんな展開にできる燈ちゃんの方が素敵だと思った。
対する楓ちゃんは不満そうな顔で黙りこくったままなのだった。