灼けるような恋の先。




2人でどこを回ろうかなんて話しながらとりあえず清水寺。



ありきたりだけど修学旅行だしいいだろ。






「目をつぶって石を渡るのか」






恋愛成就でそんなものを見て呟くと灯はにっこりと目を細めて笑う。






「する?」



「しない」



「しないのか〜」



「そんなのしなくたって成就してるし。」



「あら、かっこいい菫」



「かっこよくない」






おちゃらけてそんなことを言う灯に笑いながらそう返す。



でも実際同じ学校の子がたくさん目をつぶって歩いてて、こういうのはやっぱ女の子の夢だよなぁなんて思ったり。






「清水寺二条城金閣寺銀閣寺、京都は色んな素敵な建物があっていいね。
将来京都で暮らそうか」



「え、急に?
でも灯とならどこでもいいよ」



「嬉しいなぁ、そんなに菫が惚れてくれて」



「うるせー」






どうしようもなく惚れてんだもん仕方ないだろ。




ニコニコと嬉しそうな灯を見てると、こんなに好きでもいいんだと安心する。






「次どこにしようか」



「んー、知ってるとこで言うと金閣寺?
でも金閣寺は晄見たいって言ってたよな」



「そうだね、じゃあ二条城とかかな?
場所把握全然してないけど」



「いいよ、行き当たりばったり楽しいじゃん」



「だね」






なんて話しながら普段はしない手を繋いでバス停まで歩いていくと

なんだか同じ学校の男子がやたらと私達を見てくるのがわかった。






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