灼けるような恋の先。
それからしょうもない先生の話を聞かされて、宿題を提出させられて1時間目は終わった。
この学校始業式は特に何もすることなく終わるからまじである意味がわからないんだよな。
午後からの入学式には私たち上級生は出なくていいから帰れるし。
今からはその午後からの入学式のための会場設営。
「まじだりー、なんで俺らが知らん後輩のために会場設営とかしなきゃなんだよー」
「文句ばっかり言うなよ面倒なのはお前だよ」
「酷くね?菫が酷くて俺しょげちゃう〜、灯助けて〜」
「うっざ」
「あはは、ほらほらどんどん椅子もて〜」
私と晄が言い合いをしていると灯は容赦なく椅子を4つ持たせてくる。
「ちょっと、か弱い女に椅子4つも持たせるのかムキムキ男が2人もいるんだから持て」
「か弱いぃ〜?」
「か弱いだろ」
「へーへー、か弱い女の菫さんの椅子は持ってやりまよー」
私の頭を小突きながらも椅子を持ってくれた晄。
口も態度も悪いけどこういうところは良い奴なんだよな。
「仲、いいんだね」
私達が言い合いをしたりどうでもいい会話をしながら椅子を並べていると、突然そう声をかけられた。