灼けるような恋の先。
「なに?」
そんなじろじろと見られると気分いいものでもなく、思わず私が見てくる男子に声をかけると
声をかけた男子はえっ、と口ごもったあとスマホの画面を見せてくる。
「さっき、こんな動画がSNSで回ってきたんだ…」
「??」
男の子は気まずそうに動画を開いて再生ボタンを押すと、私が夏のあの夜男たちに乱暴された時の動画だった。
突然の衝撃に私は声さえも出ない。
でも隣の灯が急いで再生ボタンを押して止めてくれた。
「なんだこれ!なんでこんなこと!」
「わ、わからないよ!でもクラスの男子のラインとかにも回ったりしてるし拡散されたりしてるから結構知ってると思う…」
強面の灯の怒鳴りに怯えながらもその子は仲間にも助けを求めるように目を配ると
他の子もこくこくと頷く。
「誰が流した」
「わからないっ、ほんとに知らないよ!」
「俺らも流れてきたのを見ただけだから」
「ていうかこれ、やっぱり菫ちゃんなの?」
男の子たちのそんな声がどこか遠く感じた。
別に私が好奇の目に晒されるのはいいんだ。
なのにこんな付き合ってる灯にまで迷惑をかけるようなこと…最低だ。