灼けるような恋の先。
男の子たちと別れたあと、2人になってひとまず人目のないベンチに座る。
「大丈夫?」
「私は平気。
それより彼女のあんな動画が流出とか灯が嫌でしょ」
心配そうに私を見る灯にそう返すと、灯は困ったように私の頭を撫でた。
「そんなことないよ。
俺は菫が元気でいてくれたらどうでもいい事だよ?
でもこれで菫が元気なくなるのは嫌だな」
灯の言葉に私はただ疑問を持つ。
私がどうしてこれで元気が無くなるというのか。
確かにこれで灯に元気がなくなったら元気が無くなるかもだけど
これが原因で私の元気が無くなるのはないよ。
まぁいつも元気ハツラツってわけでもないしね。
「何を心配してるのか分からないけど、私は灯さえいれば何も怖くないしどんなことにも元気を無くすことは無い。
今回ので灯が別れたいとか迷惑だとか思わないんだったら私は平気だよ?」
そんな当たり前のことを伝えると、灯はやっぱり困ったように笑った。
なんて会話をしていると、どこからともなく『おい!!!』という聞き迫った声が聞こえてくる。
「動画、どういう事だよ!!」
そう言って現れたのはもちろん晄。
合流早かったな、なんて思いつつ晄の問に淡々とさっき知ったことを伝えた。