灼けるような恋の先。
「じゃあ誰がなんのために流出させたんだよ?
それともなんだよ、菫を男たちに襲わせた犯人がいるとでも言うのか?」
「わからやい。でもそうだとしたらその黒幕は何が目的かも分からないし、現実的ではないかもね…」
晄と灯はそう言うとうーんと唸って悩む。
私は黒幕がいるとするなら自分の手を汚さずしてるなんて卑怯なやつだなと思うかな。
そんな微妙な会議中、私のスマホに担任から電話がかかってきた。
「はい」
『もしもし、自由行動中悪いがちょっとホテルまで帰って来れるか?』
「なんでですか」
『少し、聞きたいことがある』
「……。わかりました」
担任の歯切れの悪い感じからして今回の流出の事だろう。
こんなの広まったら学校も放置できない、か。
冷静に考えながら電話を切って2人にごめんと手を合わせる。
「ちょっとホテル戻ってこいって呼び出されたからいくわ。
2人で色々回ってきて、写真とか見せろよな〜」
「は!?なんで菫が呼ばれんだよ!」
「まぁ色々あんだろ。
いいから2人は楽しく回れよ。ちゃんと楽しく回れたか後で色々聞くからな」
きっとこうでも言わないと遠慮して私に着いてくるとか、自分たちも観光しないとか言い出しそうだから私はそう言い残してその場にあとにした。
後ろでは何やらぎゃーぎゃーと晄が騒いでいたけど無視。
せっかくの修学旅行だもん、楽しまなきゃだからな。