灼けるような恋の先。
私がひとりでホテルに戻るとロビーには担任や生活指導や保健の先生など数人が集まっていた。
先生たちは私の姿を見るなりなんとも言えない顔で先生たちの部屋に案内する。
「皐月さん、どうして呼ばれたかわかる?」
話しにくそうにそう言葉を切り出したのは保健の女の先生。
他の男の先生は一歩下がったところで私を見ている。
「まぁ、流出したやつですかね」
「そう…わかるわよね。
単刀直入に聞くけど、あれは皐月さん本人?」
「そうです」
保健の先生の言葉に反論する気も抵抗する気もない私が肯定すると、後ろの生活指導の先生が頭を抱えるのがみえた。
「その…無理やりされたのかしら?」
「夏祭りの日に御手洗に行った時脅されて連れていかれて動画みた通りのことされました。」
隠す必要も感じない私が淡々と事実を話すと保健の先生はなんとも言えない顔になる。
傷ついたような、怒ったような。
「辛かったわよね、大丈夫?」
保健の先生の声掛けに私はなんの躊躇いもなく頷く。
「大丈夫です。別にそういう行為が初めてでもなかったですし、乱暴されたことによって私がなにか不利益があった訳でもないので。
確かに動画流出は困りましたけど、私を大切だと言ってくれる私のことをわかってくれる人がいればそれでいいので。世間の目なんてどうでもいいので。」