灼けるような恋の先。




私の言葉を聞いても尚、保健の先生は心配そうに私を見るのを辞めない。






「大丈夫だとしても、心の傷は?
心の傷はそう簡単に癒えないよ?」



「心の傷もないです。
灯に癒してもらったので問題ないです。
学校側になにか不都合があるならなんでも処分は受けます」






しつこい。
私はそんなに弱い人間じゃないのに。



そんな私の心を察してくれたのか、先生はため気をひとつ着く。



そして生徒指導の先生が口を開いた。






「この流出のこと校長や理事長が重大な学校への影響ということで騒ぎが落ち着くまで謹慎って形になった。
やっぱり周りの生徒たちの影響もあるだろうから…。
一応こちらも動画等の削除はしてもらってるが1度出回ったものは一生消えないからな…」






目を伏せて申し訳なさそうに言う先生に私はこくんと頷く。


先生は何も悪くない、上が決めたことを言ってるだけだもんな。






「いいです、謹慎明けは連絡くれるんですか?」



「ああ、そうなる。
それと修学旅行も今日の夜の便で皐月は帰ってもらうことになった。ごめんな」



「わかりました。
じゃあ準備しておきますね」



「皐月が悪いわけじゃないんだ。自分を責めたりするなよ?」



「大丈夫です、そんなに弱くないんで。
修学旅行もまたいつか3人で思い出作り直すのでいいです」






他の生徒たちと楽しみたいわけじゃないしね。



そう言って先生たちの部屋を出た私は帰る支度を始めたのだった。






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