灼けるような恋の先。
晄のウキウキ計画に異論のない私たちは頷くばかり。
プレゼント、なんにしようかな。
灯には別にやろうかな。
「よっしゃ!楽しみなってきたー!風呂行ってくる!」
キャッキャと誰よりも楽しそうな晄はバタバタとお風呂に駆け込んでいった。
残された私と灯。
灯は金魚に餌をやる。
「屋台の近所は長生きしないことが多いって聞いたことあるけど、この子達は長生きしてくれそうだね」
「うん、まぁ大事に育ててるしな」
「謹慎中でそれしかすることがないからね?」
「そーですよー」
灯の冗談に笑ってそう返して私も金魚を見る。
最初金魚とか面倒くさとか思ったけど意外と育ててみると楽しいもんだな。
「菫は恋人に指輪とか貰ったらどう思う?」
唐突に何を思ったのか金魚を見ながら灯は私にそう訪ねてきた。
どう、とは難しいな。
「個人の気持ちの問題じゃない?
そんなに好きじゃないけど付き合ってるやつから貰ったら重いし、好きなやつから貰ったら嬉しいんじゃない?」
「やっぱそうだよね」
「急にどうした?」
「この前雑誌で見てどうなのかと思って。
俺も貰ったことあるけど重いなって思っちゃったし」
「はは、まぁ私も今までの彼氏なら重いけど、灯になら重いとは思わないな」
それくらい灯は特別ってこと。
そう柄にもないことを言って笑った。
どうしてここまで灯に惹かれてるのか分からないけど、それでもこんなに好きになってしまったんだから仕方ない。
こんな灯に夢中の私自身を私は嫌いじゃないしね。