灼けるような恋の先。
私達3人でいると怖く見えるらしく、あまり話しかけてくる人がいないから話しかけてくる人は誰かへの告白の呼び出しとかが多いけど…
どうやら今回は違うみたい。
「あ?なに?」
「こら、そんな言い方するから怖いって言われるんだぞ晄」
「いやだってそうだろ、仲良いんだねって思ったからってそれを直接俺らに言うって何?嫌味?」
話しかけてきた人物に威嚇する晄とそれを宥める灯。
晄は誰に対しても最初は威嚇するから困ったものだ。
だがしかし、晄に威嚇されてもその人物…転校生の楓ちゃんは困ったように笑った。
「嫌味に聞こえたならごめんね?でも本当に思ったことを言っただけだよ」
「で?」
「楽しそうだから仲間に入れて欲しいなって」
「は?」
「3人さっき正座させられてたり、3人だけの空気があったり、楽しそうだなって」
楽しそう。
そんなふうに話しかけられたのは初めてで私は新鮮な気持ちで楓ちゃんを見つめる。
それは灯も同じなのか、反抗する晄とは反対にキョトンとしていた。
「俺はねーこの2人がいれば十分すぎるくらい楽しいから他のやつなんていらないし、こいつら2人にも作らせねーの」
「あはは、すごい独占欲だね
じゃあ菫ちゃんと友達になりたいな?」
晄と話すだけ面倒だと思ったのか、楓ちゃんは私のところに来てそう笑った。