灼けるような恋の先。




玄関を開けるとにっこりと不気味な顔で笑ってたっている楓ちゃんと対面する。



久々の楓ちゃんの顔は特に変わってなくてあれからいじっては無いんだなと一安心。






「久しぶり!謹慎中会えなかったから寂しかったよ!」



「あぁ、うん、そっか」



「そんなんどーでもいいから要件だけ言えよ。
お前に時間割くほど俺ら暇じゃねぇの」






イラついたように私と楓ちゃんの会話をさえぎってそう言う晄だが、楓ちゃんは晄なんて見えてないように見向きもしない。






「あのね、今日は最後の告白をしに来たの!」



「最後の告白?」






どこか転校でもするの?

と思いながら聞き返すもそれに応答はなく楓ちゃんは灯と手を繋いでいない方の手を握ってくる。






「私と付き合って?私の事好きになって?
早く灯くんの手を振り払って?」






不気味な笑みのままそう言う楓ちゃんに背筋が寒くなるのを感じた私。


なんだか危険な感じがする。






「ごめん、何回も言ったと思うけど私はこれから先も灯しか好きにならないから。
菫ちゃんとは付き合うことは無いよ」






危険だと感じたからこそハッキリとそう言い切る。



それを言いきった後寂しそうに顔を歪ませる楓ちゃん。






「そっか、そしたら永久に私のものにするよ」






は??どういう意味??


そう言葉にしようとした瞬間、隣にいた灯が突然私を抱きしめるように覆いかぶさって


楓ちゃんが見えなくなったままその場に後ろ向きに倒れた。






< 88 / 199 >

この作品をシェア

pagetop