灼けるような恋の先。




友達、ねぇ。



何を思ってそう言ってきたのかは分からないけど。






「いいよ、別に私は友達作らない主義じゃないし」






私がそう言って笑い返すと、晄は持っていた椅子をバンッと捨てて私を後ろから抱きしめるように引き寄せる。



誤解されかねないその体勢やめてくれ。






「なんでだよ!菫には俺らがいるじゃん!」



「面倒臭いよ晄。
別に友達くらいいたっていいだろ」



「やだ!!ふざけんな!!」



「それはこっちのセリフだ」



「知らねー!!もう話しかけんな!!」






晄は何をそんなにカッカしてるのか知らないが、そう言い放つと体育館から出ていってしまった。



準備放り出して。






「はぁ…なんだあいつ友達への独占欲とか面倒だな。
ごめんね楓ちゃん見苦しいもの見せて」






私が謝ると楓ちゃんは笑い返してくれるけど、どうして動揺しないのか不思議だわ。






「なんかごめんね私のせいで」



「いや、悪いのは晄だから」






晄の精神年齢が幼すぎるんだ。今に始まったことではないけど。



微妙な空気の私達に天の一声のごとく降り注いできたのは先生の『そろそろ教室へ戻るぞ』の声だった。






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