灼けるような恋の先。




それからのことはよく覚えてない。




病院について、晄はなんとか無事で話せる状態だった。



だけど、灯は運ばれた時には既に息を引き取ったあとで冷たくなってしまっていた。






「なんで…」



「菫、大丈夫か」






優しげに笑ったまま目をつぶって動かない灯を前にして何故か涙は出なかった。



胸は張り裂けそうで苦しいのに。






「私のせいだ。
晄の怪我も灯が死んだのも私のせいだ」






私が楓ちゃんに好かれてしまったせいだ。



そんな私の言葉に晄はそっと背中に手を添えてくる。






「自分責めるなよ、悪いのは全部楓だろ。
灯だってこんなに穏やかじゃねぇか、お前にずっと抱きしめられて幸せだったんじゃねぇの?」






そんな晄なりの優しい言葉にも私は素直に頷けなかった。



もう、灯との未来はないんだ。



今日の昼まで暖かくて優しくて触れ合ってたのに?


昨日の夜は指輪くれたりしたのに??




そんな思いがじわじわと溢れてきて、私は動かない灯に抱きついて涙をこらえた。






「ごめんね灯私のせいだ…っ!
ずっと一緒にって…言ったのに…」






私は灯のいない世界を生きていける?


消えてしまいたい、死ぬのは自分が良かった。


そんな気持ちで壊れてしまいそう。



私にもこんな繊細な気持ちがあったんだ…。






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