灼けるような恋の先。
燈ちゃんの言葉に私は頭を抱える。
「友達って、名前は?」
「探してくれる?
大和加奈ちゃんっていう子なんだけど」
「ちょっとまってて」
下手にウロウロして変なやつに目をつけられては困ると思った私が樹に電話をかけようとしたところで、ちょうどタイミングよく樹からかかってきた。
「もしもし樹?」
『なにしてんだよ〜早く来いって、もうすぐ金払い悪くなったオニーサン来るから相手して落とし込んでホストでもなんでも入れるって約束だろ〜?』
「わかってるけど今人探ししてて、大和加奈って子知らない?」
『あー、自分だけじゃ借金返せねぇーって今日デリヘルの店に女の子紹介してくれるってやつだろ?俺の担当じゃねーよ?』
「デリヘル!?」
『おお、なんでも明るくていい子で騙されやすいとか何とか?名前なんだっけなーアカリチャン?だった気がする』
あーあ、やばいやばい。
燈ちゃんすっかりその友達に騙されてるじゃん。
これはどうしたものか…。
私がそんなに必死になって守らないといけないわけじゃないけど、デリヘルだなんて特に酷い。
ここらのデリヘルはかなりハードだって聞いてるし。
『おーい、菫早く来いよー』
「ごめんちょっと放っておけない」
『あ?』
「ごめんなさい」
私はそう言うと樹の言葉を待たずに電話を切った。
直後かかってくる樹からの着信も全部無視する。