灼けるような恋の先。
後々が怖いけど、燈ちゃんをこちら側に来させたらそうそう抜け出せない世界だから阻止しなくちゃ。
「燈ちゃん、今すぐ帰って。
その大和さんって子に騙されてるから。
デリヘルに売られたくなかったら帰ってその友達とは縁切りな。わかった?」
どれだけフォローしたってバレることなんだから素直に伝えようとそう伝えると、燈ちゃんは戸惑ったように眉を八の字に曲げる。
「デリヘル?売られる?」
「いいから。もう二度とこんなとこ来るな。
燈ちゃんみたいな人が来ていいとこじゃない。
私の領域に踏み込んでこないで」
傷つくかもしれない、怖がるかもしれない。
それでもいいから、私は今更どう思われてもいいから無理やり腕を引いて外に放り出した。
「私のことは忘れろ。
誰にも他言するなよ」
「菫ちゃん…」
「じゃあ」
きっと燈ちゃんなら分かってくれる。
そう信じて私は元の普通の世界へ燈ちゃんを届けて自分は背を向けた。
「さて、どう処理するかな」
樹が担当じゃないなら誰かが既に探してるはず。
「おい菫ちゃん、文月燈って女見なかったか?」
私がどうしようか考えていると、クラブの従業員で樹と同じような仕事をしてる人から声をかけられる。
が、聞いてきた顔的に一緒にいるところを見られてたのか絶対知ってる顔だ。