死にたがり屋は恋に堕ちる
死神の背中には黒い翼が生えてないし、ズルズルと長い黒い服も着ていない。着ているのは実に人間らしい、清潔感のある白いシャツに濃い藍色のデニム。肌は色白ではあるが、顔には血色感があった。
「あなた、死神じゃないの……?」
「俺は人間だよ」
******
通報するとすぐ、家にパトカーがやってきた。
刑事さんたちは、「名探偵、いつもご協力ありがとうございます」と死神にペコペコお辞儀をして下着泥棒を連行していった。どうやら死神は探偵で、しかも優秀らしい。
「一体どういうこと? わかんないこと多すぎ……」
パトカーを見送った後、家の前の歩道で私が頭を抱えていると、探偵は言った。
「順を追って話すから、聞いてくれ。――まず、俺の探偵事務所に下着泥棒を捕まえて欲しいという依頼が来たんだ。それで被害者に聞き込み調査をしていたら、ある共通点を見つけた」
「ある共通点って?」
「被害者は全員、この町内にある新築のZハウスの家に住む女子高生」
探偵の推理はこうだ。
被害者の家はどれも新しく外観がそっくりだから引っかかり、家主に詳しく聞いてみた。
「あなた、死神じゃないの……?」
「俺は人間だよ」
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通報するとすぐ、家にパトカーがやってきた。
刑事さんたちは、「名探偵、いつもご協力ありがとうございます」と死神にペコペコお辞儀をして下着泥棒を連行していった。どうやら死神は探偵で、しかも優秀らしい。
「一体どういうこと? わかんないこと多すぎ……」
パトカーを見送った後、家の前の歩道で私が頭を抱えていると、探偵は言った。
「順を追って話すから、聞いてくれ。――まず、俺の探偵事務所に下着泥棒を捕まえて欲しいという依頼が来たんだ。それで被害者に聞き込み調査をしていたら、ある共通点を見つけた」
「ある共通点って?」
「被害者は全員、この町内にある新築のZハウスの家に住む女子高生」
探偵の推理はこうだ。
被害者の家はどれも新しく外観がそっくりだから引っかかり、家主に詳しく聞いてみた。