死にたがり屋は恋に堕ちる
 そしたら全員が一年以内に建てたZハウスの家に住んでいるという共通点があった。Zハウスはハウスメーカーの業界的にはマイナーな方で、これは単なる偶然とは思えなかった。

 ハウスメーカーの従業員なら完成後もアフターフォローで訪れるし、家族の帰宅時間を聞き出すことも洗濯物干し場を確認することもできるので、犯行はしやすい。

「それらの理由から、犯人はZハウスの従業員だと俺は目星をつけた」

 そこまで説明され、私は下着泥棒の顔がフラッシュバックする。

「……あ。そうだ。あの下着泥棒、Zハウスのスタッフさんだ! 雰囲気違うからわかんなかったけど、確かに家に来たことある!」
「だろ」

 驚いて鳥肌が立っている私に構わず、再び探偵は話し始めた。

 客のふりをしてZハウスに訪れ調査をすると、犯人の尻尾はつかめなかったがZハウスの家の建設は建設会社A~C社のいずれかに委託することがわかった。

 A~C社全てに探偵だと打ち明け下着泥棒の件を話し、一年以内にZハウスから依頼された中で女子高生が住んでいる家がないか、問い合わせて確認してもらった。
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