死にたがり屋は恋に堕ちる
「いい加減じゃない。死神なんて得体の知れない存在を、真摯に看病してくれたじゃねぇか。普通、人間だとしても初対面だったらあそこまでしないぜ。――勇気と思いやりのある、良い子だなと思ったよ。恋人くらいすぐできるさ。もう安楽死のボタンが欲しいなんて言うなよな」
探偵は私の頭を優しく撫でてくれる。嬉しくて泣きそうになった。
はっきりとわかった、私はこの人が好きだ。
「安楽死のボタンはもういいの。……気になる人ができたから」
探偵の目を見つめる。もっとこの人のことを知りたい。そのために、生きなくちゃ。
「どこのどいつだ、信用できる奴か? 心配だな。何かあったら頼れよ」
そう言って渡された名刺には、探偵事務所の名前と住所と連絡先と、
『神谷義仁』
そう記されていた。良い名前……。
「うん、頼る、絶対連絡する!」
そう言った私に神谷さんは微笑み、車に乗り込むと、夕焼けのオレンジ色に染まる町並みへ向かって去っていった。
どこからか『Fall in love ~夕焼け紅葉~』が聞こえてくるような、そんな気がした。
おわり
探偵は私の頭を優しく撫でてくれる。嬉しくて泣きそうになった。
はっきりとわかった、私はこの人が好きだ。
「安楽死のボタンはもういいの。……気になる人ができたから」
探偵の目を見つめる。もっとこの人のことを知りたい。そのために、生きなくちゃ。
「どこのどいつだ、信用できる奴か? 心配だな。何かあったら頼れよ」
そう言って渡された名刺には、探偵事務所の名前と住所と連絡先と、
『神谷義仁』
そう記されていた。良い名前……。
「うん、頼る、絶対連絡する!」
そう言った私に神谷さんは微笑み、車に乗り込むと、夕焼けのオレンジ色に染まる町並みへ向かって去っていった。
どこからか『Fall in love ~夕焼け紅葉~』が聞こえてくるような、そんな気がした。
おわり