死にたがり屋は恋に堕ちる
「最近のお前はずっと『死にたい』ばかり言っているな。そんな愚かな人間は死神のルールで地獄へ連れて行くことになってんだよ。さ、地獄へ案内するぜ」
何よ、そのルール。
最近の私が「死にたい」ばっか言ってたのは確かだよ。気持ちはどん底まで落ち込んでたしさ。だけど。
「地獄に行ったらひどい目にあうんでしょ? 絶対嫌」
「それなら、生きたいと言え!」
脅すようにそう言った死神は私を壁へと追い込み、両手でドンと壁を叩き私の行く手を塞ぐ。私の体は一瞬震えたが、こんなことでビビるようなヘタレじゃないぞとむきになって、睨んでくる死神を睨み返してやった。
「生きたくもない! アンタが死神なら安楽死のボタンちょーだいよ」
「はぁ? 何だその、安楽死のボタンって」
「生きるのに疲れたの。さくっと簡単に死にたいのッ!」
「……もうやってらんねーよ」
ため息交じりにそう言った死神は、私に背を向け部屋の隅にあるピアノへと移動し、鍵盤の蓋を開ける。
注視していると、なんと死神はそのピアノを両手で弾き始めた。
何よ、そのルール。
最近の私が「死にたい」ばっか言ってたのは確かだよ。気持ちはどん底まで落ち込んでたしさ。だけど。
「地獄に行ったらひどい目にあうんでしょ? 絶対嫌」
「それなら、生きたいと言え!」
脅すようにそう言った死神は私を壁へと追い込み、両手でドンと壁を叩き私の行く手を塞ぐ。私の体は一瞬震えたが、こんなことでビビるようなヘタレじゃないぞとむきになって、睨んでくる死神を睨み返してやった。
「生きたくもない! アンタが死神なら安楽死のボタンちょーだいよ」
「はぁ? 何だその、安楽死のボタンって」
「生きるのに疲れたの。さくっと簡単に死にたいのッ!」
「……もうやってらんねーよ」
ため息交じりにそう言った死神は、私に背を向け部屋の隅にあるピアノへと移動し、鍵盤の蓋を開ける。
注視していると、なんと死神はそのピアノを両手で弾き始めた。