まぶたにキスして
「あーかーりーくん!」
数日後のお昼時間。学食にて。
あれからも私は安定して灯くんの追っかけをしている。
数日前と違うことといえば、灯くんが私に名前で呼ばれても怒らなくなったこと。
そして……。
「突進してくるな」
「だって、灯くん見つけたら嬉しすぎるんだもん!」
「はぁ……ていうか、音桜」
「ん?」
灯くんが私をまた名前で呼んでくれるようになったこと。
それが幸せすぎて最近は学校に行くのが数百倍楽しみになっている。
「……スカート、短い」
「え?そうかな?」
ボソッと呟かれた声に耳を傾けて、みんなこんなもんだよと答えたけれど、灯くんは全然納得いってないって顔。
普段ポーカーフェイスの彼が分かりやすく表情を崩したので、周りの女子たちもレアだと喜んでいる。