まぶたにキスして

灯くん本人の口から、そんなことを言われて嬉しすぎて涙腺が崩壊してしまった。

「本当に、本当?」

「本当だよ」

「ほ、本当に、本当に、本当に、本当?」

「どんだけ疑うんだよ。本当に本当に本当」

私の溢れる涙を人差し指で掬いながら優しく答えてくれる灯くん。

でも、涙は全然収まってくれなくて。
灯くんをこれ以上困らせたくないから止まって欲しいのに。

なんて思っていると、視界に影ができて。
目の上に柔らかくて温かいものが触れた。

あの頃と、同じ。

「……あっ、かり、くんっ」

「したよ、キス。だから泣き止んで」

不意打ちはズルすぎる。
多分、今の私は灯くん以上に熱があるんじゃないかと思うぐらい顔も身体も熱いけど。

今まで抑えてた気持ちは止められなくて。

「……お、お口がいい」

なんて欲張るんだ。
< 37 / 40 >

この作品をシェア

pagetop