花吹雪~夜蝶恋愛録~
大して売上にも貢献していなかった陸は、当然のようにクビにされた。
けど、でも。
「それで勝手にここに住み付こうとしてるのか知らないけど、あたし『Rondo』も辞めることにしたし、今月中にはこのアパートも出てくから」
「えっ! じゃあ、これからどうするんですか!?」
「心機一転、実家に帰んのよ」
陸は驚きのままに目を丸くした。
少し気恥ずかしかったが、セナは言う。
「養鶏やってんの。あとはほかにもちょっと畑あるから野菜も作ってるし」
「………」
「てか、お金を借りる条件が実家に帰ることでもあったしね。親も年取ったから、あたしが都会でバカやってるままじゃ死んでも死にきれないって言われて。確かに、もうそろそろ親孝行すべきなのかなとかも思ったりもして」
数年会わなかった間に、両親はすっかり老け込んでいて驚いた。
おかげで、昔の反抗心は綺麗さっぱり消えてしまい、代わりに田舎に戻ろうという気になった。
しみじみと言ったセナに、
「じゃあそれ、俺も着いて行っていいですか?」
と、陸は無邪気に聞いてくる。
「はぁ? あんたあたしの今の話聞いてた?」
「だって、俺も行くとこないって話したでしょ? 俺、農業とか、ちょっと興味あったんすよ。で、将来的にはセナさんのお婿さんになって、一緒に実家を継ぐ、みたいな?」
けど、でも。
「それで勝手にここに住み付こうとしてるのか知らないけど、あたし『Rondo』も辞めることにしたし、今月中にはこのアパートも出てくから」
「えっ! じゃあ、これからどうするんですか!?」
「心機一転、実家に帰んのよ」
陸は驚きのままに目を丸くした。
少し気恥ずかしかったが、セナは言う。
「養鶏やってんの。あとはほかにもちょっと畑あるから野菜も作ってるし」
「………」
「てか、お金を借りる条件が実家に帰ることでもあったしね。親も年取ったから、あたしが都会でバカやってるままじゃ死んでも死にきれないって言われて。確かに、もうそろそろ親孝行すべきなのかなとかも思ったりもして」
数年会わなかった間に、両親はすっかり老け込んでいて驚いた。
おかげで、昔の反抗心は綺麗さっぱり消えてしまい、代わりに田舎に戻ろうという気になった。
しみじみと言ったセナに、
「じゃあそれ、俺も着いて行っていいですか?」
と、陸は無邪気に聞いてくる。
「はぁ? あんたあたしの今の話聞いてた?」
「だって、俺も行くとこないって話したでしょ? 俺、農業とか、ちょっと興味あったんすよ。で、将来的にはセナさんのお婿さんになって、一緒に実家を継ぐ、みたいな?」