花吹雪~夜蝶恋愛録~
何もそんなにあからさまに言わなくてもいいのにと、ハラハラした。
確かにナオキからしてみれば、邪魔な樹里がいたのでは話ができないと思うのは当然だろう。
だけど、樹里はセナを心配してくれて、わざわざこんなところまで着いてきてくれたのだ。
下手をすれば一触即発の事態になりかねなかったが、肩をすくめた樹里は、
「私、ちょっとお手洗いに」
と、言って、挑発には乗らずに席を立った。
樹里には悪いが、セナはほっと安堵してしまう。
しかしというか、当然というか、ナオキは、樹里がいなくなった席で、睨むような目を向けてきた。
「お前さぁ、何であんなの連れてきたんだよ」
「……『あんなの』?」
「他のやつとくるならいいけど、あんなの連れてきてんじゃねぇよ」
舌打ち混じりに吐き捨て、ナオキまで不機嫌に席を立った。
「ちょっ、ナオキ!?」
しかしナオキはそのまま、セナの制止も虚しく、奥に消えてしまう。
理由はよくわからないが、それでも樹里を連れてきたことでナオキを怒らせたのだということだけはわかった。
ヘルプの子たちは焦った顔でその場を取り繕うようなことを言っていたが、それがセナの耳にまで届くことはなかった。
確かにナオキからしてみれば、邪魔な樹里がいたのでは話ができないと思うのは当然だろう。
だけど、樹里はセナを心配してくれて、わざわざこんなところまで着いてきてくれたのだ。
下手をすれば一触即発の事態になりかねなかったが、肩をすくめた樹里は、
「私、ちょっとお手洗いに」
と、言って、挑発には乗らずに席を立った。
樹里には悪いが、セナはほっと安堵してしまう。
しかしというか、当然というか、ナオキは、樹里がいなくなった席で、睨むような目を向けてきた。
「お前さぁ、何であんなの連れてきたんだよ」
「……『あんなの』?」
「他のやつとくるならいいけど、あんなの連れてきてんじゃねぇよ」
舌打ち混じりに吐き捨て、ナオキまで不機嫌に席を立った。
「ちょっ、ナオキ!?」
しかしナオキはそのまま、セナの制止も虚しく、奥に消えてしまう。
理由はよくわからないが、それでも樹里を連れてきたことでナオキを怒らせたのだということだけはわかった。
ヘルプの子たちは焦った顔でその場を取り繕うようなことを言っていたが、それがセナの耳にまで届くことはなかった。