君との想い出が風に乗って消えても
「……僕は……加恋ちゃんと……結婚……したい……」
言わずにはいられなかった。
「……優くん……」
「……加恋ちゃんは……どう思ってる……?」
焦っていた。
すごく、すごく。
加恋ちゃんのことを引き止めるには。
これくらいのことは言わないといけないと。
「……え……」
想定はしていた。
加恋ちゃんは戸惑っている様子だった。
でも、僕は。
「加恋ちゃんは僕との結婚どう考えてる?」
加恋ちゃんが本当に僕のもとから消えてしまいそうで……。
そう思うと。
心配で。
不安で。
だから僕は加恋ちゃんのことを引き止めたくて……。
何度も。
何度も加恋ちゃんに……。
「僕は加恋ちゃんの気持ちが知りたい」
「……優くん……」
「加恋ちゃん……」
待てないよ……。
今すぐにでも。
加恋ちゃんの気持ちが聞きたいよ。
もちろん、ずっとずっと一緒にいてくれるという言葉を……。
「……優くん……」
……加恋ちゃん……‼
「……あのね……優くん……」
加恋ちゃん……?
加恋ちゃんの声のトーンが。
少し下がったような……。
「……今日なの……」
「……え……?」
「……時期が来たら話すって言ってたこと……」
……‼