君との想い出が風に乗って消えても
* * *
放課後。
僕は借りていた本を返すため図書室にいた。
それは本というか図鑑かな。
花の写真がいっぱい載っている図鑑。
僕は、木や草や花が大好き。
家にも育てている花が何種類かある。
僕は、その花たちを育てることにとても夢中。
そんな僕には日課がある。
毎朝、起きたらすぐに花たちに『今日もきれいに咲いてくれていて、ありがとう』と言いながら水をまいている。
それをすることが、とても楽しくて仕方がない。
そういう日常が僕にとっては、とても幸せ。
そんな日常に感謝をしながら日々過ごしている。
花の図鑑を返し、教室に戻るところ。
図書室に本や図鑑を返しに行くとき。
それが終わってカバンを取りに教室に戻ると、教室には誰もいない。
……はずが……。