ムボウビハート



 「呼び止めたんだぞ?手袋、忘れてる。って」



あらたの言葉に、頷いた。
  


「だけど、そのまま出て行っちまうから俺、寂しかったんですけど?」



あたしの顔を覗き込む、あらたの目は優しくて。 



「…ごめんなさい。あたしもずっと…寂しかったの」



言葉にした途端、自分の馬鹿さとあらたの優しさに涙が溢れた。



「ゆるさねー」



そんなあたしを確認したあらたはまた、あのイジワルな笑顔であたしを見つめる。




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