ムボウビハート
「んで、あれが泣いたあとのあんずで、あっちが仕事中のあんず。」
柔らかな声にほだされて、思わず忘れそうになっていた任務を思い出した。
阻止しなければならない、『仕事中のあたし』
正確には、そのタイトルだけれど。
「ね?あらた。この絵のタイトルなんだけど、さ?」
窺いつつ、話し出せば。
「いいだろ。これ。お気に入りの一枚なんだよ。俺、仕事中のあんずも好きだから、な。」
……、あぁ、どうして今日のあらたはこんなに甘いのだろう?
でもでも、さすがに絵のタイトルに『コンビニ』は、どうかと…。
「ね?あらた。なんかさ?『コンビニ』って、現実的すぎないかな?ほら、あらたの作品って幻想的だし。」
シドロモドロのあたしの問いに、
「んー?そうか?まぁ、言われてみればそんな気もしてきたな。」
小さく頷いた、あらた。
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