ムボウビハート



「おかえりー、あらた。」



玄関のドアを開けたら、あんずが出迎えていてくれた。



「…!あら…た…ッ?!」



あんずが俺を呼ぶ声が疑問形になったのは、あんずの腰を抱き寄せて急にキス、したからだ。



「…!あらた…イタ…い…ッ!!」



そんなあんずの悲鳴なんぞ、聞こえないフリをして、白い首筋にくちづけて、そのまま強く吸い付けた。



もうあんずは、されるがままに静かにしている。



「goodgirl」



耳元で囁いて、ゆっくり離れた。



その首筋に咲いたのは、紫の花びら。




.
< 98 / 179 >

この作品をシェア

pagetop