揺るぎのない愛と届かない気持ち
しかしある日
自分がいかに女性といい加減な付き合いしか
してこなかったのか、
後悔し、罪の意識に苛まれる出来事があった。
突然現れた、
以前に付き合ったことがある女(ひと)。
彼女から浴びせられた嫌味。
「へぇ、
東吾でもそんな惚けた顔を
するんだぁ、、、
これじゃあ、付き合っていた私なんか
セフレ以外の何でもないって
思っちゃうわよね。」
ちょっと洒落たビアガーデンでの出来事。
その女の子も友人たちと来ていたらしく、
彼女の方が俺に気づいたのだ。
そんなことなど、何も気づかない俺は
紗英といつものように、
二人の時間を楽しんでいた。
この頃は
いつ紗英に結婚前提で
俺たちの付き合いを考えてほしいと、
言おうかタイミングを見計らっていた。
そういうところへ、
いい加減ビールが程よく回って来た頃の
彼女から、
浴びせられた言葉だった。
一瞬で、凍りついた。
相手から付き合ってと言われて付き合い始め、
なし崩しのようにホテルに行って抱き合って
それから会えば
ホテルに行って、、、
自分がせがんだんだろうというのは、
男らしくない。
あっという間に
「私なんかどうでもいいのね。
いつも放っておいて、
もう別れましょ!」
と言われて、
頭からワインを浴びせられて別れたはず、、、
俺はそれに懲りて、
来るもの拒まずの姿勢を改めることにした。
ちゃんと振られたはずなのに、なんで、、、
彼女は
同じテーブルにいた女友達数人に
抱えられるようにして、
去っていったが、
残された俺たちは、周りの人の注目を浴びて、
居た堪れない気持ちになっていた。
決して褒められない付き合いをしてきたと
自覚している俺は、
怖くて紗英を見ることもできなかった。
目の端で捉えた紗英の様子は
どうやら一気にビールを呷っているようだった。
「東吾さん、、、決して褒められないような
お付き合いをして来たようね。
私はこれで
帰ります。
しばらく少し、頭を冷やしましょう。」
そう言うと席を静かに立って帰って行った。
俺は人の視線よりも、
今紗英に去られる方が辛かった。
自分のいい加減さを
これほど悔やんだことはなかった。
でも
俺から言い出した付き合いはなかった。
俺から言い出した別れはなかった。
初めから未来のある付き合いにはならない、
とちゃんと言っていたのに。
それでもいいと言ったのは自分たちだろ。
何だか苛立ちと怒りと後悔が
いっぺんに押し寄せてきた。
俺は走って紗英の後を追って、
紗英を通り過ぎて行手を塞ぎ、
その場に土下座をして、紗英を慌てさせた。
こんなことで、
自分が蒔いた種だけど、
こんなことで
紗英を失うわけにはいかなかった。
自分がいかに女性といい加減な付き合いしか
してこなかったのか、
後悔し、罪の意識に苛まれる出来事があった。
突然現れた、
以前に付き合ったことがある女(ひと)。
彼女から浴びせられた嫌味。
「へぇ、
東吾でもそんな惚けた顔を
するんだぁ、、、
これじゃあ、付き合っていた私なんか
セフレ以外の何でもないって
思っちゃうわよね。」
ちょっと洒落たビアガーデンでの出来事。
その女の子も友人たちと来ていたらしく、
彼女の方が俺に気づいたのだ。
そんなことなど、何も気づかない俺は
紗英といつものように、
二人の時間を楽しんでいた。
この頃は
いつ紗英に結婚前提で
俺たちの付き合いを考えてほしいと、
言おうかタイミングを見計らっていた。
そういうところへ、
いい加減ビールが程よく回って来た頃の
彼女から、
浴びせられた言葉だった。
一瞬で、凍りついた。
相手から付き合ってと言われて付き合い始め、
なし崩しのようにホテルに行って抱き合って
それから会えば
ホテルに行って、、、
自分がせがんだんだろうというのは、
男らしくない。
あっという間に
「私なんかどうでもいいのね。
いつも放っておいて、
もう別れましょ!」
と言われて、
頭からワインを浴びせられて別れたはず、、、
俺はそれに懲りて、
来るもの拒まずの姿勢を改めることにした。
ちゃんと振られたはずなのに、なんで、、、
彼女は
同じテーブルにいた女友達数人に
抱えられるようにして、
去っていったが、
残された俺たちは、周りの人の注目を浴びて、
居た堪れない気持ちになっていた。
決して褒められない付き合いをしてきたと
自覚している俺は、
怖くて紗英を見ることもできなかった。
目の端で捉えた紗英の様子は
どうやら一気にビールを呷っているようだった。
「東吾さん、、、決して褒められないような
お付き合いをして来たようね。
私はこれで
帰ります。
しばらく少し、頭を冷やしましょう。」
そう言うと席を静かに立って帰って行った。
俺は人の視線よりも、
今紗英に去られる方が辛かった。
自分のいい加減さを
これほど悔やんだことはなかった。
でも
俺から言い出した付き合いはなかった。
俺から言い出した別れはなかった。
初めから未来のある付き合いにはならない、
とちゃんと言っていたのに。
それでもいいと言ったのは自分たちだろ。
何だか苛立ちと怒りと後悔が
いっぺんに押し寄せてきた。
俺は走って紗英の後を追って、
紗英を通り過ぎて行手を塞ぎ、
その場に土下座をして、紗英を慌てさせた。
こんなことで、
自分が蒔いた種だけど、
こんなことで
紗英を失うわけにはいかなかった。