揺るぎのない愛と届かない気持ち
もちろん
その日に紗英から返事は、もらえなかった。
待ったをかけられたのだが、
それでもよかった。
紗英が知らないどこかに行くのではなく
自分が知っているところにいるだけで。

そんな思いの俺を
長内は笑っていつも揶揄っていた。

恋煩いの東吾。

その頃の俺へのメールや連絡に
必ずその出だしをつけていた。

「いつでも応援するよ。
あ東吾を陥落させた彼女にも会ってみたい。」

と長内は言っていたが、
紗英が見せ物みたいに人に会わされるのは嫌だと
言っていたので、
いろいろと理由をつけて、その言葉を躱していた。

長内もくっついたり離れたりしていた
年下の幼馴染との、
何回目かの付き合いを再開していた。

「今度は真面目に付き合えよ。」

「東吾に言われたくない。」

いつもこういう会話ばかりをしていた
俺と長内は恋人同士をやめて、
5年経っていた。









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