揺るぎのない愛と届かない気持ち
「その後、
お父様とお相手さんとの話はケリがついて、
お祖母様は私が何も知らないと
思っていたのか、と
お祖父様からコッテリと叱られたらしい。
高木の家からは帰ってきて欲しいと
言われたけど、
もう、お父様に愛情も何もなかったから、
私には
離婚以外に選択肢はなかったわ。」
「お父様からの謝罪は?」
「毎日、雨が降ろうが槍が降ろうが、
仕事帰りにきては玄関先で土下座よ。
おでこの真ん中が土下座のしすぎて、
タコができたんじゃないってくらい、
真っ赤になっていた。
私は、もともと愛情がなかったから、
お父様が外に目を向けるのは
仕方がないなぁって、思っていたの。
でも、
相手がどんな人でも、あれは遊びだの、
気まぐれだの、間違いだったのって
相手を貶めるような考えが、
とても許せなかったのね。
女の人と遊ぶってことが嫌なの。
自分は何様だ!って。」
母のその気持ちはよくわかる。
私の脳裏に、マリッジブルーだと言って
全裸で東吾に縋りつていた長内さんの姿が、
よみがえった。
「でもね、お母様も愛してはいなかったのに
お父様と夫婦でいたのよね。
こうやって、段々と家族としての愛情が
育っていくのかな、、、
って思ってみたりもしていたの。
お父様に浮気されて、とても傷ついた。
夫だし、あなたの父親だし、、、
ある日
直々に
お祖父様から言われたの。
総一郎が生まれ変わった気で、
これから諒子さんと一緒に生きていたいと。
言っている。
これは本気だと思う。
これからの自分を
支えてもらいたい。と。
諒子さんも総一郎に愛情は
なかったかもしれないが、
どうだろう、これから結婚する気で
生活を始めてみては。
総一郎のこれからを見て、
諒子さんの気持ちを決めて欲しい。
そう言われて、
そうねぇ、、、家族になれるかどうか、
始めに戻って始めてもいいかな、
って単純に思っちゃったの。
自分が考えていた結婚生活を始めようって。
それで、高木の家の離れを改築して
完全プライバシーの保てる家にして
お祖父様には信頼できる看護婦さんに
付き添いとして、ついてもらって、
私はお祖父様から言われて
高木家のこと万端を仕切ることになったの。
伸哉さんに弟子入りよ。
紗英ちゃんを託児所に預けて、
自宅内の高木家の事務所勤め。
お父様とは、一緒に暮らしていたけど
家庭内別居。
もう甲斐甲斐しいくらいに家のことや
紗英ちゃんの育児の手伝いを
してくれるようになったけど、
正直、ちょっとうるさかったから、
遠慮なくうるさいって言っちゃったり
していたわ。
一度、
お祖母様の前でそれをやってしまって、
お祖母様が固まっていらした。
お祖父様から固く私たちのことに
口を出すなって、
言われてらしたから、
言葉はぐっと飲み込んでいらしたけどね。」
お父様とお相手さんとの話はケリがついて、
お祖母様は私が何も知らないと
思っていたのか、と
お祖父様からコッテリと叱られたらしい。
高木の家からは帰ってきて欲しいと
言われたけど、
もう、お父様に愛情も何もなかったから、
私には
離婚以外に選択肢はなかったわ。」
「お父様からの謝罪は?」
「毎日、雨が降ろうが槍が降ろうが、
仕事帰りにきては玄関先で土下座よ。
おでこの真ん中が土下座のしすぎて、
タコができたんじゃないってくらい、
真っ赤になっていた。
私は、もともと愛情がなかったから、
お父様が外に目を向けるのは
仕方がないなぁって、思っていたの。
でも、
相手がどんな人でも、あれは遊びだの、
気まぐれだの、間違いだったのって
相手を貶めるような考えが、
とても許せなかったのね。
女の人と遊ぶってことが嫌なの。
自分は何様だ!って。」
母のその気持ちはよくわかる。
私の脳裏に、マリッジブルーだと言って
全裸で東吾に縋りつていた長内さんの姿が、
よみがえった。
「でもね、お母様も愛してはいなかったのに
お父様と夫婦でいたのよね。
こうやって、段々と家族としての愛情が
育っていくのかな、、、
って思ってみたりもしていたの。
お父様に浮気されて、とても傷ついた。
夫だし、あなたの父親だし、、、
ある日
直々に
お祖父様から言われたの。
総一郎が生まれ変わった気で、
これから諒子さんと一緒に生きていたいと。
言っている。
これは本気だと思う。
これからの自分を
支えてもらいたい。と。
諒子さんも総一郎に愛情は
なかったかもしれないが、
どうだろう、これから結婚する気で
生活を始めてみては。
総一郎のこれからを見て、
諒子さんの気持ちを決めて欲しい。
そう言われて、
そうねぇ、、、家族になれるかどうか、
始めに戻って始めてもいいかな、
って単純に思っちゃったの。
自分が考えていた結婚生活を始めようって。
それで、高木の家の離れを改築して
完全プライバシーの保てる家にして
お祖父様には信頼できる看護婦さんに
付き添いとして、ついてもらって、
私はお祖父様から言われて
高木家のこと万端を仕切ることになったの。
伸哉さんに弟子入りよ。
紗英ちゃんを託児所に預けて、
自宅内の高木家の事務所勤め。
お父様とは、一緒に暮らしていたけど
家庭内別居。
もう甲斐甲斐しいくらいに家のことや
紗英ちゃんの育児の手伝いを
してくれるようになったけど、
正直、ちょっとうるさかったから、
遠慮なくうるさいって言っちゃったり
していたわ。
一度、
お祖母様の前でそれをやってしまって、
お祖母様が固まっていらした。
お祖父様から固く私たちのことに
口を出すなって、
言われてらしたから、
言葉はぐっと飲み込んでいらしたけどね。」