揺るぎのない愛と届かない気持ち
俺はそうなんだと、
どこかでそうかもしれないと思いつつも
改めて、世の中の常識を知った気分だった。
自分たちは何の不思議にも思わないことが、
他から見たら、おかしいんだ。
これまでの俺たちの付き合いは、
どこか度が過ぎている。
長内には紗英が今度の一件で、
怒っていると話したが、
この海斗の話もしてみた。
「ゲスの勘繰りよね。自分がそうだったら、
そうかもしれないけど、私と東吾は違うわ。
私はどこでも、
東吾とは親友ですって言えるわよ。
でも、紗英さんが嫌がるんじゃ、
私たちもそうそう今までみたいには
付き合えないね。」
やはり長内は友達という感情しか俺には抱いていない。
おめでたくも思ってしまっていた。
あれから海斗がその話を
嫁さんの香衣さんに話したら、
激怒して
お前と紗英さんを別れさすって言っていた、
と聞いた。
とにかく悪いことは言わないから、
長内と距離をおけ。
と説教された。
今度、ゆっくりと話そうと約束しながら、
今も会えていない。
紗英が出産してから、
海斗から鬼のように連絡が入っていた。
きっと、香衣さん経由で、
今回のことが耳に入ったに違いない。
海斗、、、怒っているよな。
いうことを聞かなかった俺に、、、
いや、毅然とした態度でいられなかった俺に。
そう思いながら、長内との待ち合わせ場所に
向かっていた俺は
反対側からやってきた海斗夫婦に気がついた。
あちらも気がついて、俺を認めた途端に
渋い顔になった。
辛いなぁ。
「東吾、、、お前俺からの連絡を無視したな。」
「ごめん。大変なことになって、
俺自身がまだ、よくわかっていないんだ。
落ち着いたら、返事をして会いたいと
思っていた。」
「東吾の今回の件の決着いかんでは、
俺たちの仲も終わりだからな。
俺は警告したよな。」
紗英が全てを話したのだろうか。
俺に対する情けない気持ちと、
何もわかろうとしなかった俺に対する怒りが
海斗の全身から滲み出ていた。
「東吾さん。
私も言いましたよね。
紗英を悲しませないでって。
長内さんとの距離が近いのも、
どうかと思うって。
そしたら、東吾さん、俺と長内は親友だ。
何も知らない輩にとやかく言われる筋合いは、
ないって。
私はあなたのことが大嫌いです。
紗英が大事にしないでって頼むから、
黙っていたけど。
紗英が生死の境を彷徨うほどの
お産をすることになったのも、
あなたとあの長内さんのせいですよね。
高木のおじさまから聞きました。
私が知っている長内さんのことを全て
お話ししましたから。」
そうか
お義父さんが俺たちを離婚させるために、
走り回っているんだ。
お義父さんが本気になっている。。。
俺も性根を入れ替えるつもりで、するべきことをしないと。
「紗英はあなたのことを、
何一つ悪く言いません。
だからと言って、
あなたのことを許しているわけでも
何でもないと思います。」
「紗英に会えたんですか?」
「ええ、毎日会っています。
あなたは立入禁止でしょ。
だから私もあなたに、
どういう様子だったとか
余計なことは言いませんけど、
紗英が目覚めなかったあの4日間、
おじさまたちは生きた心地もしなかったと
思います。
私も後で聞いて、
紗英が可哀想で、、、
痛ましくて、、、」
香衣さんは涙が溢れ、言葉に詰まっていた。
どこかでそうかもしれないと思いつつも
改めて、世の中の常識を知った気分だった。
自分たちは何の不思議にも思わないことが、
他から見たら、おかしいんだ。
これまでの俺たちの付き合いは、
どこか度が過ぎている。
長内には紗英が今度の一件で、
怒っていると話したが、
この海斗の話もしてみた。
「ゲスの勘繰りよね。自分がそうだったら、
そうかもしれないけど、私と東吾は違うわ。
私はどこでも、
東吾とは親友ですって言えるわよ。
でも、紗英さんが嫌がるんじゃ、
私たちもそうそう今までみたいには
付き合えないね。」
やはり長内は友達という感情しか俺には抱いていない。
おめでたくも思ってしまっていた。
あれから海斗がその話を
嫁さんの香衣さんに話したら、
激怒して
お前と紗英さんを別れさすって言っていた、
と聞いた。
とにかく悪いことは言わないから、
長内と距離をおけ。
と説教された。
今度、ゆっくりと話そうと約束しながら、
今も会えていない。
紗英が出産してから、
海斗から鬼のように連絡が入っていた。
きっと、香衣さん経由で、
今回のことが耳に入ったに違いない。
海斗、、、怒っているよな。
いうことを聞かなかった俺に、、、
いや、毅然とした態度でいられなかった俺に。
そう思いながら、長内との待ち合わせ場所に
向かっていた俺は
反対側からやってきた海斗夫婦に気がついた。
あちらも気がついて、俺を認めた途端に
渋い顔になった。
辛いなぁ。
「東吾、、、お前俺からの連絡を無視したな。」
「ごめん。大変なことになって、
俺自身がまだ、よくわかっていないんだ。
落ち着いたら、返事をして会いたいと
思っていた。」
「東吾の今回の件の決着いかんでは、
俺たちの仲も終わりだからな。
俺は警告したよな。」
紗英が全てを話したのだろうか。
俺に対する情けない気持ちと、
何もわかろうとしなかった俺に対する怒りが
海斗の全身から滲み出ていた。
「東吾さん。
私も言いましたよね。
紗英を悲しませないでって。
長内さんとの距離が近いのも、
どうかと思うって。
そしたら、東吾さん、俺と長内は親友だ。
何も知らない輩にとやかく言われる筋合いは、
ないって。
私はあなたのことが大嫌いです。
紗英が大事にしないでって頼むから、
黙っていたけど。
紗英が生死の境を彷徨うほどの
お産をすることになったのも、
あなたとあの長内さんのせいですよね。
高木のおじさまから聞きました。
私が知っている長内さんのことを全て
お話ししましたから。」
そうか
お義父さんが俺たちを離婚させるために、
走り回っているんだ。
お義父さんが本気になっている。。。
俺も性根を入れ替えるつもりで、するべきことをしないと。
「紗英はあなたのことを、
何一つ悪く言いません。
だからと言って、
あなたのことを許しているわけでも
何でもないと思います。」
「紗英に会えたんですか?」
「ええ、毎日会っています。
あなたは立入禁止でしょ。
だから私もあなたに、
どういう様子だったとか
余計なことは言いませんけど、
紗英が目覚めなかったあの4日間、
おじさまたちは生きた心地もしなかったと
思います。
私も後で聞いて、
紗英が可哀想で、、、
痛ましくて、、、」
香衣さんは涙が溢れ、言葉に詰まっていた。