揺るぎのない愛と届かない気持ち
「香衣、、、、」
海斗が優しく香衣さんの肩を抱いた。
俺もあの日、
長内ではなく妻の紗英の肩を抱くべきだったんだ。
「ところで、どこへ行くんだ。
病院とは反対方向だろ。
毎日、ナースステーションに顔を出しているのは
知っている。」
お義母さんから課せられた宿題
をしに行くのだが、
そのために長内と会うと、
ここでいうのは
何だか気まずい気がしたが、
黙っている方がもっと罪作りな気がして
正直に言った。
「長内と会う。。。」
「お前この後に及んでまだ、、、」
海斗の顔が気色ばんだ。
「いや、違うんだ。
今までのことをきちんと話して、
長内に謝罪して、」
「どうして謝罪するの?
悪いのはあの人でしょ。
紗英から口止めされていたけど、
紗英はあの人が東吾くんの元カノだと
知っていたのよ。」
「えっ。。。」
「結婚式の二次会で、
気分が悪くなった紗英に付き添って
お手洗いに行った時、
私たちが、中にいると知らないで、
洗面台のところで、二次会に参加していた、
多分東吾くんの会社の女の人たちが話していたの。」
香衣さんはその時、
そのうちの一人が多分後輩らしき女の子二人に
話しているのを、聞いたと言う。
俺たちが5、6年前に付き合っていたと。
別に隠しているわけではなかったから、
周りはみんな知っていた。
「篠原くんは優しそうだったけど、
あれは長内さんの方が熱を上げていたわね。
篠原くんは今でもそうだけど、
いい大学は出ているし、仕事はできるし、
それに優しくって、あのルックスじゃない、
長内さんは初めっから狙っていて、
彼がフットサルサークルに入ると聞くと、
同時に自分も入ったのよ。
うまく、付き合うところまで持っていって、
それはそれは私たちにも自慢気だった。
そのうち、もうそろそろ一緒に暮らしたいかな、、、
なんて言い出していたけど、
それからね、、、しばらくして恋人同士を解消して
友達に戻ったって、
話を聞いたのは。
私たちは友達に戻ったって言っていたけど、
どうだろう。
付き合っている時と変わらず、よく一緒にいるところは見かけたし
夜、二人で歩いているところも見かけてわ。
まぁ、友達って言われればそれまでだけど、
同期会での態度も、今日の長内の態度も、
あれはカノジョ面していると
言われればそうかもね。
篠原も脇が甘いわ。」
俺はめまいがしそうだった。
俺が知らないだけで、
会社の同期たちはそんな風に見ていたのか。
そういえば、
結婚式の時に久しぶりに会った
フットサルのメンバーも
長内と二股かけてんのか、って言っていた。
俺はきつい冗談だと思っていたが。
「でもそれは、
長内ではなくそれを噂していた彼女の憶測だろう。」
「憶測のとどのつまりがこれ?
そんな気持ちじゃ、今日長内さんと会っても
今までと一緒じゃない。
とにかく、これ以上紗英を不幸にしないで。
そんな話を聞きながらも、
東吾くんにそんな気持ちはないから、
私は信じているからって言って、、、
結婚式の当日によ。
自分の結婚式に元カノを呼ぶバカが
どこにいるのよ。」
「俺達は友達で同期だから、、、」
「友達で同期の人が、紗英に東吾くんは疲れたら、
一番に喉に来る人だから、気をつけてあげてね。
お味噌汁の具は
お豆腐と油揚げが入っていたら
毎日でもいいから、、、
って、新婦にマウント取るように言うかしら?
私たちは親密な関係でした、、って
教えたかったのよね。
わざわざ結婚式に来て。
紗英は、会うのを嫌がっていたものね。」
長内は紗英に会わせろと、
しょっちゅう言っていた。
紗英は見せ物ではないんだから、
会いたいくないと言って
いつも拒否をしていた。
俺も、会いたくないという紗英に
無理はさせられないから、
今度な、、、と言って
躱していたが。。。
「よくその耳と目で、聞いて見てきなさい。
あんたのその甘さが、紗英を不幸にしたのよ。
二人して地獄に落ちたらいいわ!!
海斗行こう!」
香衣さんが激怒してそう言い捨て、海斗を引っ張っていった。
海斗が優しく香衣さんの肩を抱いた。
俺もあの日、
長内ではなく妻の紗英の肩を抱くべきだったんだ。
「ところで、どこへ行くんだ。
病院とは反対方向だろ。
毎日、ナースステーションに顔を出しているのは
知っている。」
お義母さんから課せられた宿題
をしに行くのだが、
そのために長内と会うと、
ここでいうのは
何だか気まずい気がしたが、
黙っている方がもっと罪作りな気がして
正直に言った。
「長内と会う。。。」
「お前この後に及んでまだ、、、」
海斗の顔が気色ばんだ。
「いや、違うんだ。
今までのことをきちんと話して、
長内に謝罪して、」
「どうして謝罪するの?
悪いのはあの人でしょ。
紗英から口止めされていたけど、
紗英はあの人が東吾くんの元カノだと
知っていたのよ。」
「えっ。。。」
「結婚式の二次会で、
気分が悪くなった紗英に付き添って
お手洗いに行った時、
私たちが、中にいると知らないで、
洗面台のところで、二次会に参加していた、
多分東吾くんの会社の女の人たちが話していたの。」
香衣さんはその時、
そのうちの一人が多分後輩らしき女の子二人に
話しているのを、聞いたと言う。
俺たちが5、6年前に付き合っていたと。
別に隠しているわけではなかったから、
周りはみんな知っていた。
「篠原くんは優しそうだったけど、
あれは長内さんの方が熱を上げていたわね。
篠原くんは今でもそうだけど、
いい大学は出ているし、仕事はできるし、
それに優しくって、あのルックスじゃない、
長内さんは初めっから狙っていて、
彼がフットサルサークルに入ると聞くと、
同時に自分も入ったのよ。
うまく、付き合うところまで持っていって、
それはそれは私たちにも自慢気だった。
そのうち、もうそろそろ一緒に暮らしたいかな、、、
なんて言い出していたけど、
それからね、、、しばらくして恋人同士を解消して
友達に戻ったって、
話を聞いたのは。
私たちは友達に戻ったって言っていたけど、
どうだろう。
付き合っている時と変わらず、よく一緒にいるところは見かけたし
夜、二人で歩いているところも見かけてわ。
まぁ、友達って言われればそれまでだけど、
同期会での態度も、今日の長内の態度も、
あれはカノジョ面していると
言われればそうかもね。
篠原も脇が甘いわ。」
俺はめまいがしそうだった。
俺が知らないだけで、
会社の同期たちはそんな風に見ていたのか。
そういえば、
結婚式の時に久しぶりに会った
フットサルのメンバーも
長内と二股かけてんのか、って言っていた。
俺はきつい冗談だと思っていたが。
「でもそれは、
長内ではなくそれを噂していた彼女の憶測だろう。」
「憶測のとどのつまりがこれ?
そんな気持ちじゃ、今日長内さんと会っても
今までと一緒じゃない。
とにかく、これ以上紗英を不幸にしないで。
そんな話を聞きながらも、
東吾くんにそんな気持ちはないから、
私は信じているからって言って、、、
結婚式の当日によ。
自分の結婚式に元カノを呼ぶバカが
どこにいるのよ。」
「俺達は友達で同期だから、、、」
「友達で同期の人が、紗英に東吾くんは疲れたら、
一番に喉に来る人だから、気をつけてあげてね。
お味噌汁の具は
お豆腐と油揚げが入っていたら
毎日でもいいから、、、
って、新婦にマウント取るように言うかしら?
私たちは親密な関係でした、、って
教えたかったのよね。
わざわざ結婚式に来て。
紗英は、会うのを嫌がっていたものね。」
長内は紗英に会わせろと、
しょっちゅう言っていた。
紗英は見せ物ではないんだから、
会いたいくないと言って
いつも拒否をしていた。
俺も、会いたくないという紗英に
無理はさせられないから、
今度な、、、と言って
躱していたが。。。
「よくその耳と目で、聞いて見てきなさい。
あんたのその甘さが、紗英を不幸にしたのよ。
二人して地獄に落ちたらいいわ!!
海斗行こう!」
香衣さんが激怒してそう言い捨て、海斗を引っ張っていった。